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ファンと組子とともに走る神対応の貴公子/紅ゆずる(日刊スポーツ)

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2018.02.15
 星組トップ紅(くれない)ゆずるが、愛知・中日劇場でミュージカル・ロマン「うたかたの恋」、レビュー「ブーケ・ド・タカラヅカ」に臨んでいる。芝居は悲劇の皇太子ルドルフを描いた宝塚歌劇の名作だ。白い軍服の貴公子でスタートした2018年。秋に台湾公演も控える紅は「コミュニケーション力」をテーマに星組をけん引していく。公演は25日まで。

【写真】紅ゆずる「星組の伝統を受け継ぐ」覚悟の舞台

 紅はトップ就任後、CM「ドリームジャンボ宝くじ」、テレビ「徹子の部屋」「ブラタモリ」などに出演し、宝塚の渉外担当のような「顔」の役割を担っている。

 「番組によって(個性の出し方を)変えています。宝塚(現役生)を見るのが初めての方もいらっしゃると思えば、あんまりブワーッてやっちゃうと…。OGの方、在籍している生徒にも申し訳ない。ほどけていい場所ではいきますけど」

 笑わせることが大好き。大阪出身らしい機転で、バラエティー適性は随一。一方で華やかな立ち姿も武器。今作のルドルフは白い軍服姿の貴公子だ。「ポスターは顔。絶対に失敗したくなかった。美しくないと完全にアウト」。宝塚の過去作や米映画「マイヤーリング」(57年)も見て、役作りに励んできた。

 「ルドルフには白いイメージ、王子様感があり、かなりロイヤル。でも、持って生まれた品格はあっても、そこから抜け出したい。自由主義がある。自分が『王子様』って思ったら、もう、ルドルフじゃない」

 父の皇帝と意見が違うゆえの皇太子の悲劇。心の根を掘り下げ、作ってきた。

 「私の家、もはやベルサイユ宮殿になっています」

 こう笑わせ、稽古時の衣装もフリル付きブラウスを着て励んだ。「八方ふさがりの彼を思えば、自分は恵まれた環境だなと思う」。トップ就任から1年余。「伸び伸び」を実感する。

 「よくトップさんは別(格)だと言いますけど、私は一緒だと思う。表に立つのは私でも、組子と同じ板の上に立つ。みな一緒。私が特別なわけじゃない」

 今、最も心を砕くのは「コミュニケーション」だ。

 「今日どうしたん? その髪の毛、めっちゃ、いいやん。芝居変えたん? とか。変化に気づくようにして、声をかけますね」

 ファンに向けても同じ。

 「中日劇場はエレベーターでお客様とばったり会ったりするので、リアルな感想が聞ける。偶然、一緒になったら、しゃべりかけて。街中でも写真はお断りせざるを得ないんですけど、代わりに握手を!」

 自身も宝塚ファンだった学生時代、元月組トップ霧矢大夢にサインをもらい、宝塚へのあこがれが増した。

 「宝塚の人が現れる場所の情報を仕入れ、その空間を味わってみたくて」

 迷った末に声を掛けた。

 「宝塚のチラシをチョキチョキして、ベタベタ貼っているノートのトップページに。宝物になった。だから私も、声をかけてくれた勇気に応えたい」

 今年もファン、組メンバーと“伴走”を続ける。次作本拠地作には、落語を題材にした異色ミュージカルが控え、秋には台湾公演主演も予定されている。

 「今年は落語(作品)もありますし、楽しいだけじゃない、笑わせたい。爪痕をギュッと残そう。そんな野望でいこうかと」。そう言って、いたずらっぽく笑った。【村上久美子】

 ◆ミュージカル・ロマン「うたかたの恋」(脚本=柴田侑宏氏、演出=中村暁氏) クロード・アネの小説「マイヤーリンク」が原作。舞台は19世紀末のオーストリア。皇帝の嫡子ルドルフ(紅ゆずる)と男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ(綺咲愛里)との悲恋を描いたミュージカル。83年の初演以降、再演が重ねられている宝塚歌劇傑作の1つ。

 ◆タカラヅカレビュー「ブーケ・ド・タカラヅカ」(作・演出=酒井澄夫氏) 昨秋、タカラヅカレビュー90周年を記念して作られた王道レビュー。

 ☆紅(くれない)ゆずる 8月17日、大阪市生まれ。02年入団。08年「スカーレット・ピンパーネル」で新人公演初主演。14年「風と共に去りぬ」で全国ツアー初主演。16年11月に星組トップ。昨年1月、インド映画が原作の「オーム・シャンティ・オーム」でトップ初主演。その後「-ピンパーネル」で本拠地お披露目。身長173センチ。愛称「さゆみ」「さゆちゃん」「ゆずるん」「べに子」。
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