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「INAIR」がもたらす“音に包まれる”という新感覚--イヤホンとは違うイヤースピーカ

  • IT
2018.04.17

 「INAIR」はカナル型イヤホンのような見た目だが、その中身は全く異なる「イヤースピーカー」だ。開発したのは、ポータブルスピーカ「BeYo」などの輸入代理やポータブルオーディオの商品企画などを手がけるアンドカラーの佐川大介氏。「ある日、スピーカで聞いている音楽を持ち出したい」と思ったことがきっかけで開発をスタートした。

「INAIR」。ボディカラーはブラックとシルバーの2色
「INAIR」。ボディカラーはブラックとシルバーの2色
アンドカラー代表の佐川大介氏
アンドカラー代表の佐川大介氏

 INAIRは、6mmのドライバユニット部、それを包み込むシリコン製の「AIR TUBE」から構成され、そのパーツ全体を独自の球状のスポンジで包み込む。スポンジを耳に挿入することで音が聞こえる仕組みだ。

 構造自体はイヤホンと似ているが、パーツの役割は異なる。カナル型イヤホンのドライバユニットとイヤーピースが、音を鼓膜に届けるため直線的に進むのに対し、INAIRでは、鼓膜はもちろん周囲の骨、皮膚などにも音を響鳴することで、頭の中全体で音が鳴っているような新感覚のサウンドが味わえる。

 上下左右に音が広がることで、心配になる音漏れを抑えるのがAIR TUBEだ。一見するとイヤホンのイヤーピースのようなパーツだが、イヤーピースがドライバユニットの前方を覆っているのに対し、AIR TUBEはドライバユニットの後方から全体を包み込む。後方への音を遮断することで音漏れを抑えるほか、AIR TUBE内で低域を増幅させ、低音再生にも大きく寄与しているという。

6mmのドライバユニットを内蔵
6mmのドライバユニットを内蔵
半透明の部分が「AIR TUBE」
半透明の部分が「AIR TUBE」

 佐川氏は、劇場や映画館など、プロ用のスピーカ機材として高い人気を誇った米ウェスタン・エレクトリック製品の修理やレプリカの製造などを手がけていた経歴を持つオーディオエンジニア。「大型スピーカで音楽を聴いた時の感動は、10年以上経った今も忘れられない」と振り返る。

 INAIRが目指したのは、大きなキャビネットとユニットによって再生されるスピーカのような高音質。「しかし今の住宅や音楽を聴く環境では、大型のスピーカに対するニーズが極めて低い。小型で高性能が求められる傾向にあり、そのニーズに応えるため作ったのが最も小さな“スピーカ”インエアー方式イヤースピーカである」(佐川氏)と話す。

 最も開発に苦労したのは、耳に直接触れるスポンジ部。通常のイヤーピースでは、密閉性を考慮しシリコンやポリウレタン素材のものが用いられるが、INAIRでは通気性の良いスポンジを使用。AIR TUBEの振動がスポンジを通じて外耳道に伝わる仕組みにした。

 「スポンジを採用したのは、音の逃げ場を作るため。耳とスポンジの間に音を逃がすことで、頭の中全体に広がるような音質が得られる。これにより、鼓膜への負担を軽減し、難聴になる危険性も下げられる」(佐川氏)とスポンジの効果を説明する。

 スポンジは、1つ1つ削り出して作ることで、同一のクオリティを確保しているとのこと。「長く装着できることを考えると、ふわふわとした柔らかいものがベストだが、そうすると低音が抜けていってしまう。装着感や耐久性にも配慮しつつ、低音もきちんと出せる硬さや密度を見極めるには試行錯誤を重ねた」(佐川氏)と言う。

「INAIR」の試作機。球形スポンジになる前は、よりイヤホンに近い形をしていた
「INAIR」の試作機。球形スポンジになる前は、よりイヤホンに近い形をしていた

球形のスポンジをかぶせて、耳に装着する

 INAIRは4月17日から、CCC(TSUTAYA)グループのワンモアが運営する「GREEN FUNDING by T-SITE」でクラウドファンディングを実施。有線タイプの「INAIR M360 」とBluetoothタイプの「INAIR M360bt」の2モデルをラインアップする。目標額は100万円。現在、有線タイプが7700円~、Bluetoothタイプが1万2780円〜で支援を受け付けている。

 4月末からは、同じくCCCグループ会社のポータブルオーディオ専門店「e☆イヤホン」の各店舗で試聴会を開くなど、リアルとの接点も作り、実際に音を聴ける環境を整えていくという。

CNET Japan
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