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政治記者50人に聞いた「安倍政権、いつまでもつか」の答え

  • 政治
2018.04.17
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「去年のモリ・カケだって乗り切ったじゃないか」安倍は周囲にこう語ったが、口調は気弱そのものだったという。政局をもっとも身近で観察する精鋭記者たちが、「真実」をこっそりと教えてくれた。

記者の7割が「総裁三選はない」

前代未聞の公文書改ざん騒動などで、安倍官邸は混乱に次ぐ混乱状態にある。5年半にわたる長期政権を支え、巧みな情報操作では人後に落ちない菅義偉官房長官や、総理秘書官の今井尚哉にしても、もはや制御不能なのだ。

官邸クラブ・平河クラブに所属する記者を中心に、第一線で安倍政権を取材する新聞・通信・テレビの記者たちは、すでにそのダッチロール現象を冷静に見極めている。本誌は政治記者50人に緊急アンケートを実施した。

安倍晋三は、今も総裁三選を夢見る。だが50人の記者のうち実に34人(68%)が、「安倍は三選されない(総理を辞める)」と考えているとわかった。

安倍政権の機関紙とまで言われてきた新聞のベテラン記者が記したコメントを読んで欲しい。

〈三選はもはや、ありえない。5月には退陣するのではないか。これまで「安倍べったり」だった読売新聞の幹部からも、読者離れを気にして、総理を支える雰囲気がなくなった〉(読売・40代・男)

〈昭恵夫人の国会招致が避けられない状況になれば即退陣。解散カードをちらつかせる力すら失い、今国会中の退陣は既定路線〉(産経・40代・男)

読売・産経両紙の紙面には決して載らない「記者の目」である。

いつになるのか?

安倍が総理の座を捨てる方法について、彼ら「政局のプロ」たちの意見は、大きく2つに分かれる。

①9月の総裁選までに辞任する

②辞任はしないが、総裁選出馬を断念する

①の辞任シナリオで、もっとも早いのが〈3月末の予算成立と引き替えに、4月に退陣〉(朝日・40代・男)というもの。

〈3月27日の佐川(宣寿)前国税庁長官の証人喚問で、かえって疑惑が深まり、昭恵夫人への喚問の声が強まる。持病の潰瘍性大腸炎が悪化すれば、すぐにでも幕引きするだろう〉(毎日・30代・男)

ただ、安倍よりも先に、麻生太郎の去就がポイントと考える記者が多い。50人中39人(78%)が、いずれ麻生は財務大臣を辞任するとみている。

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〈財務省のトップが責任を取らなければ、内閣支持率の低下は止められない〉(時事・30代・男)

〈退任しかないだろう。あとは、タイミングだけだ〉(読売・40代・男)

だが、麻生の去就を巡って、官邸では混乱が続いている。根底に横たわるのは、官邸の守護神・菅と麻生との確執だ。

麻生は「辞めたくても辞められない」

3月中旬、財務省2階の大臣室を、菅が訪れた。

「もともと昭恵さんが悪いんだろう」

麻生のダミ声だ。絶叫に近い大声だったため、廊下にまで口論が聞こえてきたという。消費税への軽減税率導入の是非など、さまざまな点で対立してきた2人が、森友問題の幕引きを巡って意見が食い違った。もう菅のコントロールは利かない。

ある与党幹部が言う。

「麻生さんが『書き換えは3月11日に知った』と発言した後で、菅さんは『5日から6日にかけて国交省から書き換え前の文書の存在を知らされていた』と明らかにした。両者のあいだでは、事前のすり合わせすら不可能な状況に陥っている」

実は、書き換えを知った翌12日の時点で、麻生は財務大臣を最終的に辞任することを決断していた。幕引きを自分がはかることで、安倍に恩を売ろうと考えたのだとみられる。ところが――。

「菅さんは麻生さんに『辞任のタイミングではない。辞められたら困ります』と反対した。安倍総理も2度にわたって極秘に麻生さんと会談し、『辞めないでほしい』と懇願している。

麻生さんが辞任すれば総理の責任が追及され、政権が持たなくなるというのが、菅さんの判断だった」(同)

今回のアンケートでも、この安倍と菅の状況を読んだ回答がいくつかある。

〈麻生の辞任があれば、政権内のバランスは崩れる〉(産経・40代・男)

〈麻生が退任すれば、安倍総理へ矛先が向かい、総崩れになる可能性が高まる〉(共同・40代・男)

公明党幹部が言う。

「菅さんは時間稼ぎを狙っている。佐川氏の証人喚問では新事実が出ないから、いずれ世論はおさまるとみている」

それで済むはずもない。

もう金正恩に会うしかない

いまや安倍の頼みの綱は、ただの一つしかない。

〈南北会談、米朝会談と、日本が外交で取り残されるなか、北朝鮮関連でなんらかの緊迫状況が起こり、その対応に一気に目がいけば、安倍が救われる〉(毎日・40代・男)

外交。安倍がもっとも得意としてきた分野のひとつだ。その「神風」効果に頼るほかないのだ。

〈昨年は窮地に陥るたび、北朝鮮のミサイル問題への対応で危機を脱してきたが、今回は金正恩の暴走は考えにくいから、窮地を脱する「切り札」がない〉(北海道・40代・男)という声もあるが、官邸は懸命に外交スケジュールを組み立てている。

「4月訪米でのトランプ会談が、まずは最大のチャンスだ。GWには、40年ぶりの首相訪問となるイランをはじめとした中東歴訪を計画し、帰国後すぐ東京で日中韓首脳会談を設定する。外交で一定の主導権を握れば、森友問題の目くらましにはなる」(官邸幹部)

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さらに、秘書官の今井と内閣官房副長官の杉田和博が、外務省を経由して躍起になっているのが、失地挽回のための「ウルトラC」である。

「南北会談と米朝会談の後、6月下旬には日朝首脳会談を設定し、拉致被害者の帰還を金正恩に約束させる。ここまでこぎ着けられれば、支持率は必ず持ち直す」(同)

安倍の最大の「願望」である。その頃、国会会期が終了し、森友問題の追及も収束すれば――。

〈支持率を下げても戻してきた過去がある。今回の森友問題で、直接の総理の関与の証拠があるわけでもないから、会期さえ終われば、支持率は戻る〉(毎日・40代・男)

かくして、今までのシナリオ通り、安倍が三選される――そう考える記者が、50人中16人(32%)いるのも事実なのだ。

〈通常ならば、『内閣支持率が下がれば選挙に勝てなくなる』と、総理への辞任圧力がかかるものだが、今年は国政選挙がないうえ、野党は分裂状況で非常に弱い。そのため、安倍総理が地位にしがみつくことが可能になる〉(日経・30代・男)

鍵を握るのはやはり「進次郎」

9月の総裁選まで、安倍は辞任しないという。ただ、そうであっても、安倍が総裁選出馬を断念するという意見も多い。

〈少しでも負ける可能性があるなら、出ないだろう。だから支持率と他派閥の情勢を見極めたうえで、出馬を断念し、岸田への禅譲路線を考える〉(NHK・40代・男)

ポスト安倍は誰か?今回の結果は以下だ。

①石破茂(17人)②岸田文雄(16人)③安倍晋三(16人)④河野太郎(1人)

安倍が辞めるなら、石破か岸田かの一騎打ちだ。

〈禅譲シナリオも含めて、岸田が本命。ただ、来年の参院選も睨んだ人気取りのために、アンチ安倍で改革イメージのある石破に勝機が出る可能性はある〉(毎日・50代・男)

〈小泉進次郎が石破につけば、党員票を含めて石破が勝つ公算が大きくなるし、そうなれば新竹下派も二階派もなびく〉(共同・40代・男)

〈佐川喚問では何も終わらず、昭恵夫人の証人喚問が行われないかぎり、国会は空転を続け、政権は崩壊することになるだろう〉(毎日・40代・男)

すでに政局は大きく動き出している。

(文中一部敬称略)

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「週刊現代」2018年4月7日号より

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