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英内相、カリブ海移民「ウィンドラッシュ世代」に謝罪 英国育ちでも強制退去の危険(BBC News)

  • 国際
2018.04.17
アンバー・ラッド英内相は16日、第2次世界大戦後にジャマイカなどカリブ海地域の英領(当時)から英国に移住した「ウィンドラッシュ世代」と呼ばれる移民の子供たちが、強制退去に直面している問題について、「間違っている」「恐ろしい」ことだと議会で謝罪した。

ウィンドラッシュ世代とは、今では英連邦加盟国となった西インド諸島から最初の移民としてやってきた数千人とその子供たちを指す。戦後の労働力不足を補うため英国移民の呼びかけに応じた人たちで、「ウィンドラッシュ」という呼び方は、移民が乗ってきたエンパイア・ウィンドラッシュ号にちなんでいる。親に動向した子供の多くは、旅券や査証など公的書類のないまま入国して、定住した。

1971年制定の移民法は、すでに英国在住の英連邦加盟国民に永住権を与えたが、内務省は当時、対象となった人たちの記録を残さず、永住許可証などの証明書類を発行しなかった。そのため、ウィンドラッシュ世代は合法的に英国に住んでいることを証明しづらい状況にある。

2012年の同法改正で、移民は就労や不動産賃貸、医療を含む社会保障を受ける際に書類が必要となった。これにより問題が顕在化したとともに、ウィンドラッシュ世代は自分たちの置かれた立場に不安を抱えることになった。

9歳のときにバルバドスから移住してきたマイケル・ブレイスウェイトさんは特別支援学校で教師助手を15年間務めてきたが、雇用主から違法移民だと指摘され、解雇された。

ブレイスウェイトさんは「心はぼろぼろでした。表には出しませんでしたが、家に帰ってから泣きました」と語る。

「自分の全人生が足元に沈んだようで、取り乱しました」

ラッド内相は、ウィンドラッシュ世代を援助する新たな措置を下院に提出した。援助措置には次の内容が含まれる――。


・作業部会の設置
・政府各部局と協力し、移民に代わって必要な在住証明(毎年の銀行口座明細や給与明細など)を集める
・新たな在住許可書類作成の費用全額免除
・情報提供や問い合わせ窓口となるウェブサイトの設置

内相はまた、「内務省は政策や戦略にとらわれ過ぎており、自分たちが相手にしているのは1人の人間なのだと見失いがちなのが、懸念される」と答弁した。

一方、実際に何人のウィンドラッシュ世代が強制退去させられたのかという質問には、ラッド内相は「そのような事実は関知していない」とした上で、英連邦各国の高等弁務官に問い合わせる必要があると答えた。

内務省報道官は、自分や家族が誤って国外追放されたという人は、内務省に連絡するよう呼びかけた。

野党・労働党のデイビッド・ラミー議員は、「きょうは国家の恥ずべき日」だと批判し、政府が重い腰を上げるまでに長い時間を要したことが「非人道的で残酷」だと述べた。

下院審議に先立ち、キャロリン・ノークス移民相は民放ITVのニュース番組で国外追放の有無について質問され、「とんでもないケースは確かにあった。閣僚として、愕然とした」と答えた。

「それは肯定ですね」と記者に確認され、人数を質問された移民相は、「人数は知らないが、これ以上同じことを繰り返さないと決意している」と述べた。

労働党で影の内相を務めるダイアン・アボット氏は、政府は間違って強制退去させた人たちへの賠償を検討するべきだと主張した。

またテリーザ・メイ首相も、ラミー議員をはじめとする超党派の下院議員からの書簡を受け、17日にも英連邦各国の首脳とこの問題について話し合うと方針を明らかにした。首相はこれ以前は、英連邦各国首脳と会談しない予定だった。

ロンドンのサディク・カーン市長はメイ首相の判断を歓迎。一方で、「メイ首相は直ちに、英連邦市民の権利を確認・保護すると約束するべきだ」と述べた。

英オックスフォード大学の移民調査会によると、1971年までに英連邦加盟国から英国へ移住した人は50万人に上る。

特にジャマイカなどカリブ海地域からの移民は、身分証明書類を持たずに親のパスポートで渡航したため、他の英連邦諸国よりも、問題の影響が大きいと考えられている。

ウィンドラッシュ世代の子供たちは、自分を英国民だと認識しているため、移民としての身分証明書や自分自身のパスポートを申請したことがない人が多い。英紙ガーディアンによると、こうした人たちが強制退去の危険にさらされがちだという。

(英語記事 Windrush generation treatment 'appalling')
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