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DAZN、いきなり契約100万件突破 地上波やCSの脅威になり得るか?

  • 経済
2018.04.17
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最近、テレビCMやネット広告で「DAZN(ダゾーン)」という言葉を目にすることが多い。DAZNとは、イギリスのPerform Groupが運営するスポーツ中継に特化したインターネット動画配信サービス。スポーツ中継といえば、これまでも地上波のほかに「スカパー!」や「J:COM」「ニコニコ動画」「AbemaTV」などで放送・配信されていたが、それらを差し置いて、現在このDAZNが大きく注目されている。果たして今後のスポーツ中継はどうなっていくのだろうか。立教大学経営学部でマーケティングを教える有馬賢治氏に話を聞いた。

●スポーツ中継シーンでもネット放送局が競合に

まず、国内でDAZNが飛躍した背景をみてみよう。主要因には、Jリーグの放映権獲得があげられる。2016年末、これまで10年もの間スカパー!が保有していたJリーグ放映権がDAZNへと移行した。すると、これを機に国内でもDAZNの認知度が上昇し、同年8月の参入からわずか1年でDAZNの契約件数が100万件を突破した。

そして、今年からは一部の試合を除いたプロ野球の公式戦も配信されている。これも契機となってDAZNの契約件数はさらに増えると目されている。

「海外資本のDAZNが急成長したことで、スポーツ中継分野でもインターネットテレビの隆盛が感じられます。スポーツに限らず既存の地デジ、BS、CSは押され気味で、スカパー!も契約数減が懸念されています」(有馬氏)

以前、本連載記事でも紹介したが、今では従来のテレビメディアにインターネットテレビが競合に加わっている状況。それはスポーツ中継でも例外ではないということだ。

「スポーツ中継でも、コンテンツの柔軟さが許されているインターネットテレビが徐々に優位に立ちつつあるということでしょう。そのなかの筆頭ともいえるDAZNの特異性を見てみると、スポーツをいつでもどこでも生中継で見られる番組が多く、契約者が持っているスマホなどの端末で移動中に見ることが想定されています。価格設定もリーズナブルで、速報性を重視した点が目立ちます。こういったことも視聴者を増やしている要因といえるでしょう。しかも中長期的には、スポーツくじへの対応も想定しているようなので、そうなればDAZNへのさらなる追い風となるのではないでしょうか」(同)

●既存メディアのスポーツ中継は生き残れるのか

有馬氏の解説を聞くと、既存メディアはスポーツ中継でもネット局に完全にイニシアティブを取られるのは時間の問題。では、既存メディアは、DAZNなどにどう対応すべきなのだろうか。

「各スポーツのメジャーシーンだけでなく、セグメントを狭くしてディープな層の獲得を目指したり、特定の時間帯だけキラーコンテンツを集中的に投下したりすることが延命策としては考えられますが、今後はテレビの映像コンテンツも“ワン・オブ・ゼム”と認識される時代へと明確に移行してくると思います。視聴者が、いつ、どこで何を見るのかという利用方法に対応した“シーン・マーケティング”が必要となってくるでしょう」(同)

DAZNも一部の中継映像が粗いというユーザーからの不満があがっており、まだまだテレビ放送のクオリティには及ばない点もある。だが、DAZNがこれらの問題を解消したとき、スポーツ中継の覇権はDAZNを始めとしたネットサービスのものとなり得る可能性は高い。そうならないためにも、地上波やBS、CSのスポーツ中継は、自社サービスの強みがどこにあるのかを視聴者目線で明確に打ち出す必要がありそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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