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「人口急減」社会で「これから何が起こるのか」を具体的に考える

  • 政治
2018.05.17

▼〈日本に必ず来る「人口急減」がもたらす大恐怖〉4月4日 東洋経済オンライン (筆者=山田徹也)

天皇陛下の譲位が決まり、「平成」を総括する報道が増えてきた。

振り返れば、自民党単独政権が終わり“強き日本経済”も過去のものとなるなど時代は大きく変わった。一方、私からすると、平成とは“少子化を傍観した時代”と映る。見て見ぬふりをしてきたといったほうが正確かもしれない。

前年の合計特殊出生率が1.57となり、丙午(昭和41年)を下回ったことが分かったのは平成2年であった。いわゆる「1.57ショック」だ。平成時代は、深刻な少子化とともに幕開けしたと言ってもよいのである。

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©iStock.com

当時、メディアは大きく報じたが、バブル経済に踊る人々の関心が長く続くことはなかった。もしこれを契機に国民が危機感を持ち、政府が適切な対策をとっていたならば、現在の少子高齢社会は全く違う風景を見せていたことだろう。

残念ながら、もはや日本の少子化は止まらない。過去の出生数減少の影響で子供を産める若い女性数が今後は激減してしまうためだ。われわれは、人口減少を前提とせざるを得ないのである。

今求められるのは、人口が減っても「豊かさ」を維持せんがために社会構造を根本から作り替えることだ。

ところが、いまだに多くの人は人口が増えていた時代の発想に捕らわれている。こうした状況を打破するには、人口減少社会で起きることを具体的に示し、発想の転換を促していくしかない。

そうした意味で、「日本に必ず来る『人口急減』がもたらす大恐怖」(東洋経済オンライン)という記事が、消防や警察、自衛隊といった公的分野の職種でも少子化による人手不足の影響が避けられないと指摘したことは意味がある。

現在のような社会の激変期におけるジャーナリズムは、過去の出来事だけを追うのではなく、「これから何が起こるのか」について具体的に示していくことも大きな役割となる。

この記事の中で興味深かったのは、約30年後に全国の自治体の半分程度で小学校または中学校がゼロになるとした東洋大学の根本祐二教授の試算だ。

これを「子供たちの通学が不便になる問題」ととらえてはならない。小中学校の校舎は選挙の投票所や災害時の避難場所としても活用されている。学校が無くなるということは、いずれ地域の生活が続かなくなるということだ。すでに年間の出生届ゼロという「無子高齢化」の自治体が登場している。

このように、これから起こることを想像することで、政策や商品開発のズレも見えてくる。この記事にはなかったが、少子高齢化で社会問題となりそうなことの一つに物流危機がある。

少子化によるドライバー不足が懸念されているのに、ネット通販の普及は目覚ましく、それが不足に拍車をかけている。一方で80代以上の高齢者の一人暮らしが増え、自宅まで物を運んでほしいというニーズは大きくなっている。このままでは早晩、物流全体が麻痺しよう。それは高齢者の一人暮らしのみならず社会が機能しなくなるということだ。

これに対し、政府はドローンや自動運転車に期待を寄せるが、ドローンで運べるものには限界がある。自動運転トラックも個別の荷物をより分けて玄関先まで運び、冷蔵庫や洗濯機を備え付けるサービスまでしてくれるわけではない。

安倍晋三首相は昨秋の衆院解散に際して、少子高齢化をようやく「国難」と位置づけた。まさに日本は正念場にある。

平成に代わる新時代を迎えるにあたって、本格的な社会の作り替えを急ピッチに進めていかなければならない。

(河合 雅司)

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