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<新興国eye>ブラジル中銀、全員一致で政策金利を現状維持―利下げサイクル終了観測浮上

  • 経済
2018.05.17
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ブラジル中央銀行は16日の金融政策決定委員会で、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を現行の6.50%のまま維持することを全員一致で決めた。市場の大方の予想は0.25ポイントの追加利下げだったが、今回の会合では、中銀はインフレ見通しに対するリスクバランスが変化したことを理由に利下げサイクルを中断することが適切との判断を示した。

中銀は16年10月会合で4年2カ月ぶりに利下げ(0.25ポイント)に転換し、同12月会合でも同率引き下げ13.75%とした。17年1月と2月の会合はいずれも0.75ポイントの大幅利下げを実施。同4月会合ではそれをさらに上回る1.00ポイントとし、同9月会合まで同率の大幅利下げを続けた。しかし、同10月会合で0.75ポイント、同12月会合は0.5ポイント、今年2月会合では0.25ポイントと、最近は3会合連続で下げ幅を縮小。前回3月会合での同率利下げで16年10月以降の利下げ幅は計6.75ポイントに達した。これまで中銀は利下げを17年10月会合から12会合連続で実施してきたが、今回の据え置きで利下げサイクルが終わる可能性が出てきた。

政策決定後に発表した声明文で、インフレの現状認識について、「インフレは依然として好ましい状況が続いている。(消費者物価指数の構成要素に経済指標や金融市場関連指標を加えて算出した、いわゆる)基調的インフレ率は低水準となっている」とする一方で、「ブラジル経済は緩やかな回復に状況にあるが、経済活動は弱くなっている」とし、インフレ圧力が抑制されているとの認識を示した。

インフレ見通しの上ブレ・下ブレ両リスクのバランスについては、「金融政策はインフレ見通しやインフレ期待、リスクバランス、景気の成り行きによって決定されるべきと考えるが、外部ショック(自国通貨レアル安の進行)が足元のインフレ率をさらに上昇させる効果(二次的効果)を引き起こす可能性がある。外部ショックはインフレ率が金融政策の時間軸(18-19年)内に物価目標を下回り続ける可能性が減じることでリスクバランスが変わる可能性がある」と最近の急激なレアル安が輸入物価を押し上げ足元でインフレを加速させるリスクが高まっていることに懸念を示した。

その上で、「今回の金融政策決定(現状維持)はインフレ見通しに対するリスクバランスが最近変化したことに対応したものだ」とし、さらに、「リスクバランスが変化したことで、インフレ率の物価目標達成が遅れるリスクを緩和するため、金融政策をさらに緩和する必要性がなくなった」と述べている。

次回6月会合での金融政策の見通しについては、「今回の現状維持の決定は金融政策の時間軸である18年と19年にインフレ率が物価目標に向かって収れんすることに合致する」との見方を示した上で、「金融政策を据え置くことが適切だと考えている」とした。前回会合で使われた「緩やかな追加金融緩和が適切」や「追加金融緩和による景気刺激で(インフレ率が加速し)インフレ率の物価目標の達成が遅れるリスクを緩和することができる」という文言は削除された。

また、今回の会合で、中銀は経済予測の標準シナリオの前提条件となっているインフレ率の見通しを引き下げた。18年は3.6%上昇(前回予想時時点は3.8%上昇)、19年も3.9%上昇(同4.1%上昇)と予想している。これらのインフレ見通しの前提となる政策金利については18年末時点の見通しを6.5%(前回も6.5%)、19年末時点は8.0%(前回も8.0%)とし、政策金利は18年末まで据え置かれ、19年から利上げに転じると予想している。

次回の金融政策決定委員会は6月19-20日に開かれる予定。

<関連銘柄>

ボベスパ<1325>、iSエマジン<1582>、上場MSエマ<1681>、

iS新興国<1362>、上場EM債<1566>

(イメージ写真提供:123RF)

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